水鞠（みずまり）は、水飛沫がはじけて生まれる小さな水玉をあらわす、水の情景を映した言葉です。

光を受けた水滴が空の色を映し込む一瞬の情景を、ガラスに閉じ込めました。

晴れの日、くもりの日、雨の日——

その日の空模様が水面に映り込むように、

色のにじみや、かたちのゆらめきが それぞれ異なる表情を生み出します。

「空」シリーズは、移ろい続ける空の色を

ガラスの中に映し込んだ作品です。

やわらかな色のにじみは、

晴れた日の澄んだ空、薄雲の広がる午後、

夕方へ向かって少しずつ淡く変わっていく光

そんな日々の空模様を思わせます。

ぽってりとした厚みと透明感が重なり、

どこまでも広がる空の奥行きを感じていただけると思います。

ふと空を見上げたときのような、

やさしい癒しを感じていただけたら嬉しいです。

「霧雨」シリーズは、細かな雨が静かに降りそそぐ情景をイメージしています。

淡く縦へ流れるように入った色のにじみは、

空気の中に雨がとけ込んでいくようなやわらかさを持ち、ぼんやりと揺れる景色を思わせます。

ふわりとほんのり白がかった質感は、

霧の粒が空中に漂うような静かな奥行きを生み、

光の入り方によって濃淡がやさしく変化します。

しとしと降る霧雨のように、

心を落ち着かせてくれる静かなシリーズです。